「行政書士・まさ」がお教えする在留資格・「経営・管理⑤」、「事業計画書、経営能力等の事例」

１．事業計画書を流用した場合
[仮の事例]
現在「技・人・国の在留資格」で滞在しているイギリス人のＦさん、今回隣接して貿易の会社Ｇ社、Ｈ社の2社を設立しました、「経営・管理の在留資格」への資格変更の認定申請の際に事業計画書を添付しましたが、Ｆさんは、Ｇ社・Ｈ社伴に貿易会社だからと事業計画書をちょっと変えただけで提出しました、入管からは事業計画書に信憑性がないとして変更不許可となりました。

【同じような会社だからと言って事業計画書の流用はダメです！】
Ｆさんは、不許可理由を聞いて「同じ職種の事業だから類似しているのはある程度しょうがない」と主張しましたが、審査官は信憑性がないとの判断ですの一点張りです。不許可説明の場でいくら持論を主張しても審査の結果は決して変わりませんから、不許可理由をいかに払拭して再申請するかを考えてください。Ｆさんの場合は、２社それぞれの事業にマッチした独自の事業計画書を新たに作成して再申請するしかないでしょう！
次のお話は余談になりますが少し聞いてくださいね、不許可の説明をしてくれる審査官というのは、必ずしもその申請を審査した審査官というわけではありません、むしろ審査した審査官と理由説明の審査官が違う場合の方が多いのではないでしょうか、彼ら審査官は当番制で理由説明の順番が回ってくるみたいです、これは彼らの本来の業務ではないみたいですね、彼らの本業は審査業務ですよね！

２．事業計画書の完成度って？
[仮の事例]
中古自動車の貿易会社を設立したアメリカ人のＪさん、在留資格変更の申請の際に、事業計画書の裏付け資料として中古自動車の売買契約書を添付しました。しかし、中古車自動車等の価格はその時々で変動があるので、添付した契約書ではその価格で継続して取引されることは認められないとして、事業に継続性・安定性がないとして資格変更不許可となりました。

【事業計画書は信憑性・精度が求められる傾向にあります！】
年々、事業計画書の精度が重要になってきているように思われます。収支見積り、事業開始から2・3年後の売上見込み、仕入れルート、販売ルートを疎明する資料として、事例の売買契約書の写しは必須です、しかしＪさんの場合は、この売買契約書では、中古自動車の価格はその時々で違うから、事業の継続・安定性が認められないということです、どうしたらいいんでしょうか？、これで大丈夫というような方法は考えられませんが、売買契約書に「商品価格の変動については、市場価格を反映して両社で協議する」との文言を入れ、この文言の入った契約書を添付することで、在留資格変更の許可の可能性が出てくるのではないでしょうか！

３．「経営・管理の在留資格」の経営能力の判断は？
[仮の事例]
日本への来日経験のないアメリカ人のＫさん、自国アメリカでも経営の経験がありませんが、今回日本で会社を設立して、「経営・管理の在留資格」の認定申請をしました。結果は認定不交付です、なぜでしょうか？

【来日経験なし経営の経験なしでは認定交付は難しい！】
不交付理由はこうです、「日本に来たこともなく、本国でも事業経験のない人間がどうやって日本での事業活動を安定・継続的に行えるのですか？」でした、おっしゃる通りですが😥、「経営・管理の在留資格」の経営部門は職歴の要件はないはずですよね、しかし、現在の審査の方針としては「継続性・安定性」を考慮した場合は、書類の整合性が整っていても、事例のような場合は事業活動の継続・安定性は認められないとなるようです！では、Ｋさんは「経営・管理の在留資格」を取得することはできないのでしょうか？、方法としては、Ｋさんの会社に同一の業務経験者の日本人の取締役を設置して、事業活動の継続・安定性を疎明するというのはどうでしょうか！

本日は以上です、次回は「経営・管理の在留資格」の事例を基にした検証の最終話でーす😄、次回も「戸田市の行政書士・まさ🤗のブログ！」をよろしくお願いいたします🙏！