行政書士のお仕事として契約に係る知識⑦
行政書士 まさ行政書士 まさ

おはようございまーす😅! ほんの少しだけ今朝はすごしやすかったですかね(^_-)-☆、『戸田市で行政書士をしています、まさです!』。今回も『まさのブログ』を覗いていただきありがとうございます🙇。今回は正真正銘の「契約シリーズ」最終話です、よろしくお願いいたしまーーーす🤗。

本日は、具体的な解除権発生の要件と、解除権が行使された時の効果をお話しさせていただき、最終話とさせていただきます!

1.履行遅滞による解除権541条
履行遅滞による解除の場合、契約の拘束力を維持すべく事前の催告を要求し、債務者に履行の機会を与えようとしています、そして、その期間内に履行がないときに解除することができるとしています。プラス今回の民法改正によってこの541条には前回お話ししました但し書きが付加されています、「ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときはこの限りではない」、つまり「軽微な場合」は解除できなくなったのです。
(1)履行遅滞による解除権の発生要件
履行が可能であること。
債務者が履行期を徒過していること。
履行しないことが違法であること(債務者が同時履行の抗弁権を有する場合は解除権は発生しません)。
催告が必要。
期限の定めのない債務について、債務者が履行をしない場合、債権者は412条3項の「請求」をした後は、541条の「催告による解除」をすることを必要なく解除をすることができます(二重の催告は不要です、大判大正6年6月27日)。
定期行為の履行遅滞による解除権の場合は、当事者の一方が履行しないでその時期を経過したときは、相手方は、催告をすることなく、契約を解除することができます(542条1項4号
催告後の債務の不履行が軽微でないこと。
催告後相当期間の経過。
催告で示した期間が相当でない場合や、期間を指定しない催告をした場合であっても、催告の後、客観的にみて相当の期間を経過していれば解除権は発生します(最判昭和31年12月6日)。
債権者に帰責事由がないこと。
2.履行不能による解除権542条1項1号・3号、2項1号
(1)要件
履行期に履行することが不能であること。
後発的理由による不能に限ります、原始的不能であれば、契約締結上の過失の問題です。
履行期前でも履行期に履行することが不能であることが確定すれば履行期を待たずに解除することができます。
履行が不能であること
客観的不能に限ります(通説)、不能かどうかは社会の取引き通念によって決定します。
債務者の履行不能に債権者の帰責事由がないこと。
3.付随義務違反に基づく解除
契約の要素たる債務ではなく、付随的債務の不履行にとどまっている場合には、原則として解除権は成立しないとされています(大判昭和13年9月30日)、ただし、付随的な債務の不履行が契約目的の達成のために重大な影響を与えるときには解除権の成立が認められ得ます(最判昭和43年2月23日)。
4.複合的契約の解除
同一当事者間の債権債務関係が複数の契約から成る場合であっても、それらの目的とするところが相互の密接に関係付けられていて、社会通念上、いずれかが履行されるだけでは契締を締結した目的が全体としては達成されないと認められる場合には、債権者は、一方の債務の不履行を理由に、他方の契約をも解除することができます(最判平成8年11月12日)。
5.解除の効果
契約は解除されると遡及的に消滅します(直接効果説…判例から)。そのため、当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負います(545条1項)。また、債務が遡及的に消滅する以上、債務不履行もなかったことになり、損害賠償請求できないことになりそうですが、これでは解除者にとって損害が大きいため、債務不履行に基づく損害賠償請求はできることとしています(545条4項)。
(1)原状回復義務
現物が存在する場合は、その物の返還を請求できます(大判明治37年2月17日)、代替物は同種、同等、同量のものを返還すればよいです。
なお、金銭が給付された場合は、受領の時から利息を付けて返還しなければなりません(545条2項)、そして、金銭における利息との均衡から、給付を受けた物又は権利から生じた果実・使用利益も返還すべきとされています(最判昭和34年9月22日)。
公平の観点から契約当事者各自の負担する原状回復義務及び損害賠償義務は同時履行の関係にあります(546条)。
(2)解除と第三者の関係
「第三者」とは、解除された契約から生じた法律効果について、解除までに新たな権利を取得した者をいいます。解除によって消滅する債権そのものの譲受人、その差押債権者、第三者のためにする契約の受益者は「第三者」には該当しません。
①解除前の第三者
545条1項但し書きによって、解除前の第三者は保護されています。なお、善意・悪意を問いませんが、権利保護要件(判例では対抗要件)としての登記が必要であるともしています。
②解除後の第三者
対抗要件としての登記が必要です(177条)。

以上で「契約シリーズ」は終了です!

行政書士のまさ行政書士のまさ

「契約シリーズ」最後までお付き合いいただきありがとうございました、何とか今回で最終話とすることができました😅!
お付き合いいただいておわかりのように、今回の債権法改正に伴う民法改正で「契約」に関係する法律が大きく変わりました、今後「契約書を作成」する方、「契約書をチェック」する方、「契約書を見直す」方等々、ご自身でなさる場合は改正民法をよくチェックすることが必要です、お時間的に難しいのであれば専門家にご依頼される方が良いでしょう、それもできるだけ「法改正に熟知している」専門家に依頼するのがベストです!