『相続』について勉強しよう(16)!相続の手続き⑫、外国籍の方が亡くなった場合の相続手続き?
行政書士・まさ行政書士・まさ

こんにちは、「戸田市の行政書士・まさ」です。ここのところは秋晴れというか?過ごしやすい天候が続いていますね、関東近郊も紅葉が見ごろになっているみたいです、癒しを求めてお近くにお出かけするのもいいのではないでしょうか!
本日のまさのブログは、外国籍の方が亡くなった場合の相続についてです。昔と違って今は、多くの外国籍の方がこの日本に住んでいらっしゃいます、その方々が亡くなった場合どのような相続手続きを取ったらいいのかについて、まさがわかる範囲内でお話していきたいと思います、よろしくお願いします。

1.「渉外事例」とは?
日本に住んで生活をしている外国人の方が亡くなった場合、つまり日本の国籍を持たない方の相続のことを「渉外事例」といいます。
この「渉外事例」は日本の法律が適用されないこともあります。例えば、外国籍の方が亡くなった場合、その外国籍の方が保有する財産を配偶者や日本国籍を持つ子供が相続人になれるか?といったところから問題になってくるのです。
では、どのように法律で決められているのかから見ていきましょう。

2.外国籍の方が亡くなった場合、どの国の法律が適用されるのか?
どの法律が適用されるのか?専門用語では適用される法律のことを「準拠法」と言いますが、どの準拠法になるかをまずは見てみましょう。

日本には、「法の適用に関する通則法(平成18年法律第78号)という法律があり、外国籍の方が亡くなった場合には次の規定があります。
法の適用に関する通則法
第六節 相続(相続)
第三十六条 相続は、被相続人の本国法による。
(遺言)
第三十七条 遺言の成立及び効力は、その成立の当時における遺言者の本国法による。
 遺言の取消しは、その当時における遺言者の本国法による。

(適用除外)
第四十三条 この章の規定は、夫婦、親子その他の親族関係から生ずる扶養の義務については、適用しない。ただし、第三十九条本文の規定の適用については、この限りでない。
 この章の規定は、遺言の方式については、適用しない。ただし、第三十八条第二項本文、第三十九条本文及び第四十条の規定の適用については、この限りでない。

この様な規定があるのです。外国籍の方の相続手続きを始めるためには、まずは亡くなられた外国籍の方の国籍の法律(本国法)を調べることが必要です。
ただし、本国法を調べていると、本国法の中にも、日本の「法の適用に関する通則法のような根拠法」を定めた法律があることもあります。その中で、「相続は居所地法による」・「不動産に関することは所在地法による」などと規定されていた場合は、それに従って日本の法律を適用することになります。このようなことを「反致(はんち)」といいます、この「反致」についても上記「法の適用に関する通則法」で次のように規定されています。
法の適用に関する通則法 第41条
(反致)
第四十一条 当事者の本国法によるべき場合において、その国の法に従えば日本法によるべきときは、日本法による。ただし、第二十五条(第二十六条第一項及び第二十七条において準用する場合を含む。)又は第三十二条の規定により当事者の本国法によるべき場合は、この限りでない。

この様に、亡くなられた方の「本国法」によるべきことが基本なのですが、本国法をそのまま適用すると公序良俗に反するような場合は本国法を適用しないとする規定も設けられています。
法の適用に関する通則法 第42条】 
(公序)
第四十二条 外国法によるべき場合において、その規定の適用が公の秩序又は善良の風俗に反するときは、これを適用しない。

また、本国法によっては、日本で外国籍の配偶者の連れ子と日本国籍の配偶者とが「養子縁組」を届出のみでした場合や、日本では届出のみで協議離婚していた場合でも、本国法では裁判所などの許可を取らなければならなかった場合、親族関係の成立に疑義が生じることがあります。慎重な本国法の調査が必要でしょう。解決に際しては、場合によっては在日領事館や外務省の手助けを借りる必要がある場合もあります。

3.適用される法律が確定したら、適用された法律に基づいて相続人をどのように確定していくのか?
適用される法律が確定したら、その国の相続法に関係する法律を調査します。日本の「民法」と同じようなものがどの国にもたいていは完備されています、相続関連の法律の調査は心配ないと思います。

しかし、大きな問題となるのは「戸籍」です。日本では当たり前の「戸籍制度」が整備されていない国が多くあります。亡くなられた方に「子供がいるのかいないのか」など、日本では戸籍を集めて証明することは難しくありません、しかし戸籍制度が整備されていない場合は簡単には証明することができません。
このような場合、できる限り親族関係が証明できる公的書類を集めたうえで「法務局・金融機関」に、自分たち以外に相続人がいないことを誓った推定相続人全員の署名押印した「申述書」を作成して対応することも考えなくてはなりません。どちらにせよ関係機関に相談してみることは必要かもしれません。

しかし、実際は「日本の民間の金融機関」ではこのような「渉外事例」に弱い場合が非常に多いです。「渉外事例」に対応できる相続手続きの専門家に協力してもらい進めることをお薦めします。

本日は以上です、「外国籍の方が亡くなった場合の相続について」でした。次回は「許認可等の相続について」です、次回も「戸田市の行政書士・まさのブログ」よろしくお願いします。

本日ご紹介するパワースポットは、福岡県太宰府市にあります「宝満山の馬蹄石」です。太宰府市の北東にそびえる宝満山は、古くから神々が宿る山として崇められています。この馬蹄石には玉依姫命がまつられているという伝説も残っているそうです。

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まさのブログをお読みいただきありがとうございます、まさは埼玉県の戸田市で行政書士をさせて頂いています、「相続」については直に皆さんとお話をする機会が多く、とてもやりがいのあるお仕事です、しかし事情によってご対応が多々異なってきます、まさはどんな時でもお客さんの気持ちに共感をすることを第一にお話をさせて頂いています。
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