宅建業免許④免許取得の要件Ⅱ

宅建業免許⑤回目は、前回に続きまして、免許取得の要件のお話しです、許認可等はこの『取得の要件』が肝になるので読んでおいて損はないと思います!

1.人的要件(専任の宅地建物取引士の設置)
宅建業法(宅地建物取引業法)には、免許取得の要件に、人的要件として、事務所等に一定数以上(国土交通省令)の専任の宅地建物取引士を設置することを規定しています。
具体的には、宅地建物取引士を1つの事務所において業務に従事する者5名につき1名以上の割合として、不足した場合には、2週間以内に補充等必要な措置をとらなければならないとしています。
「専任の宅地建物取引士」は、『常勤性』と『専従性』の2つの要件を満たしていなければなりません、つまり、
①当該事務所に常勤をして
②専ら宅建業の業務に従事していなければならないのです。
もう1つ、監査役である人は、専任の宅地建物取引士になることは出来ませんです。

2.物的要件(事務所)
宅建業免許取得の要件2つ目は、「事務所」です、宅建業免許において事務所は重要な意味を持ちます、事務所の所在地によって免許権者が決まり、事務所には専任の宅地建物取引士が必要です、更に事務所の数に応じて後に出で来ますが営業保証金を供託しなければなりません。
宅建業法第3条1項で、「事務所」とは、本店、支店その他政令で定めるものをいうと規定しています。ここで注意して頂きたいのですが、本店で宅建業を行わない場合であっても、支店で宅建業を営むと、本店も宅建業の「事務所」となってしまう点です、なぜならその場合は、本店は何らかの中枢管理的な統括機能を有していると判断されるからです。
それと、宅建業の事務所として認められる要件はハードルが高いです、一戸建ての住宅又はマンションの一室を事務所として使用することや同一フロアに他の法人等と同居すること、仮設の建築物を事務所とすることは、原則認められていません。

3.財産的要件(営業保証金の供託)
宅建業法で、宅地建物の取引が公正かつ安全に行われるように多くの規制が定められていますが、取引上事故が発生することも考えられます、この事故によって生じた債務を一定範囲担保するために「営業保証金の供託」が要件として定められています。
供託額は、主たる営業所(本店)で1,000万円、従たる事務所1店舗につき500万円です(宅地建物取引業法施行令第2条の4)。
しかし、営業補償金の供託を行わなくても免許申請を行う方法があります、それが「保証協会への加入」です。保証協会へ弁財業務保証金分担金を支払い、保証協会へ加入すれば、営業保証金を供託しなくても免許を申請できるのです。
現在は、「全国宅地建物取引業保証協会」と「不動産保証協会」(ハトのマークとウサギのマーク)の2つが指定されています。弁財業務保証金分担金は、主たる事務所(本店)で60万円、従たる事務所1店舗につき30万円です。
実際、この保証協会へ加入して免許を取得される方が多いです。

“ブレイクタイム”
事務所の場面で、本店は宅建業を行っていない場合でも、支店で宅建業を営んでいたら、本店も宅建業の事務所としてカウントされるというお話しをしましたが、逆に支店が、継続的に宅建業としての営業の実態を備えていない場合は、事務所として扱われませんので覚えておいてください!