在留資格②入国・上陸の違いⅡ

今回は、『上陸』するための条件についてお話します。

●上陸するための条件というのは、入管法(出入国管理及び難民認定法)の第七条に具体的に規定されています。

第七条 入国審査官は、前条第二項の申請があったときは、当該外国人が次の各号(第二十六条第1項の規定による再入国の受けている者又は、第六十一条の二の十二第1項の規定により交付を受けた難民旅行証明書を所持している者については、第一号及び第四号)に掲げる上陸のための条件に適合していなければならない。

  • 一号 その所持する旅券及び、査証を必要とする場合には、これに与えられた査証が有効であること。
  • 二号 申請に係る本邦において行おうとする活動が虚偽のものでなく、別表第一の下欄に掲げる活動(この表の高度専門職の項の下欄第二号に掲げる活動を除き、五の表の下欄に掲げる活動については、法務大臣があらかじめ告示をあって定めるものに限る)又は別表第二の下欄に掲げる身分若しくは地位(永住者の項の下欄に掲げる地位を除き定住者の下欄に掲げる地位については、法務大臣があらかじめ告示をもって定めるものに限る)を有する者としての活動のいずれかに該当し、かつ、別表第一の二の表及び四の表の下欄に掲げる活動を行おうとする者についてはわが国の産業及び国民生活に与える影響その他の事情を勘案して法務省令で定める基準に適合すること(別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に掲げる活動を行おうとする外国人については、一号特定技能外国人支援計画が第二条の五第六項及び第七項の規定に適合するものであることを含む。
  • 三号 申請に係る在留期間が第二条の二第三項の規定に基づく法務省令の規定に適合するものであること。
  • 四号 当該外国人が第五上第一項各号のいずれにも該当しないこと(第五条の二の規定の適用を受ける外国人にあっては、当該外国人が同条に規定する特定の事由によって同項第四号、第五号、第七号、第九号又は、第九の二に該当する場合であって、当該事由以外の事由によっては同項各号のいずれにも該当しないこと。以下同じ。)

2 前項の審査を受ける外国人は、同項に規定する上陸のための条件に適合していることを自ら立証しなければならない。この場合においては、別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第一のイからハまで又は同表の特定技能の項の下欄第一号若しくは第二号に掲げる活動を行おうとする外国人は、前項第二号に掲げる条件に適合していることの立証については、次条第一項に規定する在留資格認定書をもってしなければならない。

3 法務大臣は、第一項第二号の法務省令を定めようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長と協議するものとする。

4 入国審査官は、第一項の規定にかかわらず、前条第三項各号のいずれにも該当しないと認める外国人が同項の規定による個人識別情報の提供をしないときは、第十条の規定による口頭審理を行うため、当該外国人を特別審理官に引き渡さなければならない。

法律というのは、本当に難しく書かれていますね!

これを簡単に言いますと、

●一号では、旅券(パスポート)と査証(ビザ)の有効性。上陸許可を受けようとするときは、所持する旅券(パスポート)と査証(ビザ)が有効であることです。

●二号では、1.日本で行う活動の真実性と、2.在留資格の該当性です。

  1. 外国人が日本で行う活動が真実であることです(例:外国人が就労して収入を得ることを目的として入国するのに、日本の大学・専門学校で学ぶことを装い『留学』の在留資格で入国するような場合等)。
  2. 在留資格の該当性とは、外国人が日本で行おうとする活動が、入管法別表第一、別表第二の在留資格のいずれかに適合しているかどうかということです。

●三号では、在留期間の適合性です。二号の在留資格には、それぞれの在留資格に認められた在留期間が定められています、その在留期間に適合しているかどうかということです。

●四号では、上陸拒否事由に該当しないこと、と規定しています。

そして、第二項で、これらの立証責任は、外国人本人にあることを規定しています。

加えて、第四項では、第六条第三項で規定される『例外者』以外は、第一項の上陸条件に適合していても、個人識別情報(指紋提供、顔写真の撮影等)の提供に協力しなければならないとしています。

今回はここまでとします、入国と上陸の違い理解して頂けましたでしょうか?次回は、『入国審査の内容』についてお話しします。今回もご覧いただきありがとうございます。

ブレイクタイム

入国と上陸の違い? 何んかすぐにぐちゃぐちゃになってわからなくなってしまいそうですね!まぁ、簡単に言ってしまえば、イミグレーション(入国審査のカウンター)を通過するまでが入国状態で、イミグレーションを通過したら上陸になるということです。