建設業許可⑪建設業許可の種類Ⅹ

今回は、『塗装工事』・『防水工事』の2業種です、この2業種は密接な関係で2業種セットで取得されている方も多いと思います、今回2業種を比較しながら読んで頂き、その関係を少しでも理解して頂けたら幸いです。

(1)塗装工事(塗装工事業)に該当するのは、
塗料、塗材等を工作物に吹き付け、塗り付け、又は貼り付ける工事のことで、具体的には、塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り仕上げ工事、鋼構造物塗装工事、路面標示工事などが該当します。この中であまり聞きなれないのが「溶射工事」・「ライニング工事」の2工事だと思いますので、簡単に説明しておきます。
まず「溶射工事」です、溶射とは、溶かした金属の粒を基材に吹き付けて皮膜を形成させる表面処理技術のことで、腐食を防いだり、摩擦を強くしたり、耐熱・断熱性を高めたり、滑り止めを目的としています。
次に「ライニング工事」ですが、別名「更生工事」とも呼ばれています。ビルやマンションといった建物の給排水管の内側に専用の塗料を流して、配管を新管のようにする工事のことです、この工事によって、配管の内部に膜を貼って、耐久性や安全性・衛生面をアップさせるということですね!配管を取り換えるより『安価』で『工期も短く』・『壁や床を壊すことなく』出来ることもプラスみたいです。
『塗装工事』の他工事との境界ですが、境界というほどのことではないのですが、『建設業許可義務ガイドライン』に、「下地調整工事」及び「ブラスト工事」については、通常、『塗装工事』を行う際の準備作業として当然に『塗装工事』に含まれると明記されているので、付け加えておきます。

(2)防水工事(防水工事業)に該当するのは、
アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事(※但し建築系の防水のみ)のことで、具体的には、アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事など該当します。この様に見てきますと、『塗装工事業』と『防水工事業』のお仕事は関連して一緒に受注するケースが多いので、2業種セットで許可を持っている業者の方が多いのではないでしょうか。
『防水工事』の他工事との境界は、これも『建設業許可事務ガイドライン』に記載されていますので紹介しておきます、①『防水工事』に含まれるものは、いわゆる建築系の防水工事のみであり、トンネル防水工事等の土木系の防水工事は『防水工事』ではなく『とび・土工・コンクリート工事』に該当する。②防水モルタルを用いた防水工事は『左官工事業』、『防水工事業』どちらの業種の許可でも施行可能である。と明記されていますので覚えておいてください。
『防水工事』でイメージしずらい「シーリング工事」・「塗膜防水工事」・「シート防水工事」を簡単に説明しておきます。
・「シーリング工事」とは、建物の外壁ボードの間や外壁とサッシの隙間などをシーリング材で埋める工事のことで、建物の防水・機密性の確保が目的です。
・「塗膜防水工事」とは、液状の防水材料を塗り、化学反応で膜を作る工事で、屋根(勾配のないもの)、ベランダなど歩行を伴う場所の防水に向いている。
・「シート防水工事」とは、塩化ビニールやゴムでできたシートを接着剤で下地に貼り付ける工事のことです。

ブレイクタイム
今回は、建設業を勉強していると「ふっと」思う建設資材についてのお話しです。今回『防水工事』ででできました「アスファルト」、舗装道路を思い浮かべると思うのですが、あれは厳密に言うと「アスファルト」ではないのです。「アスファルト」とは、原油に含まれる炭化水素類の中で最も重質な物、石油の分流精製の際に残る黒色の物体のことをいうのです。舗装道路に使っている一般的にアスファルトと呼ばれているものは、砕石・砂・石粉とアスファルトを混合させた「アスファルト合材」と言われるものなのです。
もう一つ気になるの資材が「モルタル」です、調べてみると、「モルタル」とは、セメントと細骨材と呼ばれる砂を3:1の割合で混ぜて水を加えて練ったもので、仕上げに使われたりするそうです、「コンクリート」は、セメント、砂、砂利を1:3:6の割合で水を加えて練ったものだそうです。少しはお役にたつ情報になったでしょうか?