建設業許可⑧建設業許可の種類Ⅶ

今回は、『タイル・れんが・ブロック工事』・『鋼構造物工事』の2業種を説明します。2つともちょっと厄介です。
お客さまご自身「こんな工事受けようと思ってるんだけど、今の許可でいいの?それとも別の業種の許可が必要?」等々問合せが多い業種になります。

(1)『タイル・れんが・ブロック工事』(タイル・れんが・ブロック工事業)に該当するのは、
れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は、工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取り付ける、又は貼り付ける工事のことで、
具体的には、コンクリートブロック積み(張り)工事、レンガ積み(張り)工事、タイル張り工事、築炉工事、ストレート張り工事、サイディング工事などが該当します。
この中で、築炉工事とサイディング工事がちょっとイメージしずらいかもしれませんので、簡単に説明しておきます。

まず、「築炉工事」です、築炉工事とは、主に金属・ガラスなどを加熱。溶かすために『炉』を作る工事のことで、製鉄所の溶解炉(高炉)が一番わかりやすいかもしれません。
次に「サイディング工事」です、サイディングとは、外壁に貼る仕上げ用の板材のことで、このサイディング(外装材)を家の外壁などに貼る工事のことです。少しイメージして頂けましたか?

『タイル・れんが・ブロック工事』の他の工事との境界ですが、『屋根工事』・『とび・土工・コンクリート工事』・『石工事』があげられます。
①『屋根工事』との違いですが、「ストレート張り工事」は、ストレートを外壁等に貼る場合は『タイル・れんが・ブロック工事』に該当し、屋根をふくなら『屋根工事』に該当することになります。
②『タイル・れんが・ブロック工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」は、コンクリートブロックで建物を建設する工事のことです。
③『石工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」は、建築物の内装・外装に擬石等を貼り付ける工事や法面処理又は、斜面が崩壊することを防ぐために、コンクリートブロックを積んだり、貼ったりして擁壁を作る工事のことです。
④『とび・土工・コンクリート工事』における「コンクリートブロック据付け工事」は、土木工事で規模の大きいコンクリートブロックを据付ける工事のことです。

(2)『鋼構造物工事』(鋼構造物工事業)に該当するのは、形鋼(かたこう)、鋼板(こうはん)等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事のことで、
具体的には、鉄骨工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油・ガス等の貯蔵用タンク設置工事、屋外広告工事、閘門・水門等の門扉設置工事などが該当します。
ここで、形鋼と鋼板について少し触れておきましょう、「形鋼」とはカタコウと読みます、色々な断面の形を持つ鋼材のことで、H形鋼、山形鋼、I形鋼、溝形鋼、軽量形鋼と呼ばれるものがあります。「鋼板」はコウハンと呼び、鋼鉄を圧延して板状に加工されたもののことです。

『鋼構造物工事』と他の工事との境界については、『建設業許可事務ガイドライン』で3項目わかりやすく規定していますので下記に抜粋しておきます。
①『とび・土工・コンクリート工事』における「鉄骨組立工事」と『鋼構造物工事』における「鉄骨工事」との区分の考え方は、鉄骨の製作・加工から組立てまでを一貫して請け負うのが『鋼構造物工事』における「鉄骨工事」であり、既に加工された鉄骨を現場で組立てることのみを請け負うのが『とび・土工・コンクリート工事』のおける「鉄骨組立工事」である。
②ビルの外壁に固定された避難階段を設置する工事は『消防施設工事』ではなく、建築物の躯体の一部の工事として『建築一式工事』又は『鋼構造物工事』に該当する。
③『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」と『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」との区分の考え方は、現場で屋外広告物の製作・加工から設置までを一貫して請け負う『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」であり、それ以外の工事が『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」である。

ブレイクタイム
『鋼構造物工事』と『とび・土工・コンクリート工事』の境界区分の考え方は、『鋼構造物工事』に該当するものは、鉄骨・屋外広告物にしろ製作・加工から設置・組み立てまで、つまり、作り始めるところから設置・組立の最後までを取扱うのものが該当して、出来上がって来た物を設置・組立てるのが『とび・土工・コンクリート工事』に該当するということになりますね!