行政書士と他の士業さんとの関係(4)・司法書士さんと行政書士①
行政書士 まさ行政書士 まさ

こんにちは!『戸田市の行政書士、まさです😅』、9月に入ってもまだまだ暑いですね💦、今回は、司法書士さんのお話です、よろしくお願いしまーす(^_-)-☆!

1.司法書士さんの職域
(1)司法書士さんのお仕事
司法書士さんのお仕事は、司法書士法3条(業務)で以下の事務を他人の依頼を受けて業として行うこととしています。

①登記又は供託手続の代理
(地方)法務局に提出する書類の作成
(地方)法務局長に対する登記、供託の審査請求手続の代理
裁判所または検察庁に提出する書類の作成、(地方)法務局に対する筆界特定手続書類の作成
①~④について相談に応じること
簡易裁判所における訴訟の目的の価格が140万円を超えない範囲の民事訴訟、和解、支払督促、証拠補全、調停等の手続の代理
紛争の目的の価格が140万円を超えない範囲の紛争について、相談に応じ、仲裁事件の手続・裁判外の和解について代理をすること
対象となる土地の価格が5,600万円を超えない筆界特定の手続について、相談に応じ、代理をすること
※筆界…「筆界」とは,ある土地が登記された時にその土地の範囲を区画するものとして定められた線をいいます。
⑥~⑧の業務については、法務大臣の認定を受けた「認定司法書士」のみが取り扱うことができます(司法書士法3条2項)、また、上記の業務であっても、「その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、これを行うことができないと」(司法書士法3条8項)とされています。

(2)司法書士さんの職域と行政書士の関係
上記①~⑧の業務は、行政書士法1条2の2項の「その業務を行うことが他の法律において制限されているもの」に該当するため行政書士が業として行うことはできません、例えば、本年7月10日より施行されました「自筆証書遺言書保管制度」に関して、「法務局における遺言書の保管等に関する法律」に基づく各種申請等に関して必要となる書類は、司法書士法3条1項2号が定める「法務局又は地方法務局に提出する書類」に該当するため、これらの作成は司法書士の専属業務に当たります(2020年9月現在)とされています(但し、遺言書情報証明書の交付請求及び遺言書保管事実証明書の交付請求書の作成は、各士業者が各士業法にの規定する業務の遂行に当たってこれらの書面を第三者に提出する必要が現に存する場合には、正当の業務に付随して行う業務に当たるものとして行うことができます)。

しかし、司法書士と行政書士は名称が似ていることもあり、どちらも書類作成を業としていることは推測されてはいますが、どちらにどのような仕事を依頼してよいのか分からない人が多数いるのが実情だと思います、事例を取上げながら司法書士さん・行政書士のそれぞれ出来ること出来ないことを検証していきましょう。
①登記申請業務は?
例えば会社設立については、行政書士は定款をはじめ設立書類の作成を業務とすることは出来ます、しかし、登記申請書の作成は、司法書士法3条において明確に司法書士さんの業務であることが定められています、行政書士が登記申請書を作成することは出来ないのです。
②定款の認証業務は?
これも少しややこしい話しになります、
定款を認証するのは、公証役場の公証人です、公証役場は法務局の管轄であり、公証人は法務局に属するとされています、そうなると「定款認証業務」は司法書士さんの業務と考えられそうですが、実際はそうではなく行政書士もその業務を行うことが出来ます、なぜなら、公証人は公証人法という独立した法律に規定されていまして、手数料を嘱託人より直接受けて成立していることから、法務局の職員には該当しません、定款作成は行政書士の本来業務であるので、公証役場が法務局そのものでない以上、定款認証の業務を行政書士が行っても問題がないのです。
しかし、登記申請をする前に司法書士さんでも対応できない行政書士業務が発生する場合があります、例えば、農地売買の場面において、農地の所有権移転登記の前に、農地法に基づく農地転用許可申請等が必要になりますが、当該許可申請は司法書士さんでは対応できない業務になります、したがって、行政書士が農地転用許可申請を行って、許可後に司法書士さんが所有権移転登記申請をするということになります。また、商業登記の場面でも、NPO法人や医療法人などの特殊法人の設立登記等においては、設立登記等の申請前に、行政書士の許可申請を要する場合があります。

今回は以上です、次回は、司法書士さんと行政書士の関係事例をもう少しお話したいと思います、次回もよろしくです!

行政書士のまさ行政書士のまさ

お読みいただきありがとうございます🙇!お話ししたように司法書士さんと行政書士は協力しながら業務を受任して行くことがよいと思っています、お互いに受任できない部分を紹介しあえる、そんな司法書士さんと今以上にお仲間になれるよう頑張りまーす!