『相続』について勉強しよう(12)!相続の手続き⑧、農地や山林の相続について!
行政書士のまさ行政書士のまさ

こんにちは、「戸田市の行政書士・まさ」です。
本日のブログは、農地や山林の相続についてです、これらの相続は他のものと違って相続したことを行政庁に報告しなければなりません。「農地法・森林法」などが関係しています、これらの法律も取上げ「農地・山林の相続」についてお話をしていきたいと思います、よろしくお願いします(*^▽^*)。

1.農地・森林の相続手続きについて
相続をした後に、相続をしたことを管轄の行政庁に報告しなければならない特定の財産があることをご存知でしょうか?
そんな財産があるんですね、その代表格が今回お話をする「農地と山林」です、山林は地域森林計画対象地の民有林が対象になります。これらの農地・山林については、行政庁が長年にわたって所有者の実態をつかめずに、現在所有者が把握できていないものが多数あります。把握ができていませんから公共工事などで地権者と接触できず公共工事が滞るなどの「所有者不明問題」がおきています、これらのことが起因して「農地・山林」を相続したことの届出が義務化されました(平成21年12月改正の農地法、平成23年4月改正の新司法)。

2.行政に届出が必要となる農地とは
届出をしなければならない農地とはどんな農地のことでしょう?
「農地法」という法律で定められている「農地・採草放牧地」が届出義務の対象になります。

農地法 第2条第1項
(定義)
第二条 この法律で「農地」とは、耕作の目的に供される土地をいい、「採草放牧地」とは、農地以外の土地で、主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいう。

ここで1点注意が必要です、「農地法」は現況主義(現在の客観的な使用状況により判断する考え方)を採用しています。たとえ登記上の地目が農地以外になっていたとしても現況が農地であれば、その土地を相続した場合は「農地として届出対象」になります。
では、登記上地目が農地となっていても、現況が農地以外になっている場合はどうなのでしょうか?
管轄する農業委員会によって異なっているようです、登記地目が農地など(田・畑・採草放牧地等)になっている場合は届出の対象としているところもあります、管轄している農地委員会に確認してみてください。
では、届出の根拠はどうなっているのでしょうか? これも「農地法」で定められています、農地法第3条の3です。
農地法 第33条の3
(農地又は採草放牧地についての権利取得の届出)
第三条の三 農地又は採草放牧地について第三条第一項本文に掲げる権利を取得した者は、同項の許可を受けてこれらの権利を取得した場合、同項各号(第十二号及び第十六号を除く。)のいずれかに該当する場合その他農林水産省令で定める場合を除き、遅滞なく、農林水産省令で定めるところにより、その農地又は採草放牧地の存する市町村の農業委員会にその旨を届け出なければならない。

※「遅滞なく」とは…明確な定義はないです、長めに言うと「遺産分割協議などによって取得が決まったときから90日以内」、短めに言うと「相続開始日(死亡の日)を知った時から30日以内」というところですが、これは解釈の違いを指摘される可能性もあります、早く手続きを行うことに越したことはありません。詳細は農地等を管轄している「農業委員会」に確認してください。

そしてこの届出を怠った場合の罰則も「農地法 第69条」で下記の通り定められています。
農地法 第69条
第六十九条 第三条の三の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の過料に処する。
10万円以下の過料が規定されています、届出の義務を怠らないよう注意しましょう。

3.行政に届出なければならない山林とは
相続した際に届出義務がある「山林」とは、「地域山林計画」の対象となっている「森林」のことです。稀なケースでしょうが、相続した山などで登記上の地目が「山林」になっている場合には注意が必要でしょう。

届出の義務などは「森林法」という法律で定められています、これも義務を怠ると過料が課せられます。
森林法 第10条の7の2
(森林の土地の所有者となつた旨の届出等)
第十条の七の二 地域森林計画の対象となつている民有林について、新たに当該森林の土地の所有者となつた者は、農林水産省令で定める手続に従い、市町村の長にその旨を届け出なければならない。ただし、国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)第二十三条第一項の規定による届出をしたときは、この限りでない。

届出期間は、農地法と違い「森林法施行規則第7条」で所有者となった日から90日以内と厳格に規定されています。
森林法施行規則 第7条
(森林の土地の所有者となつた旨の届出等)
第七条 法第十条の七の二第一項本文の規定による届出は、地域森林計画の対象となつている民有林について新たに当該森林の土地の所有者となつた日から九十日以内に届出書(一通)を市町村の長に提出してしなければならない。
※「土地の所有者となった日」とは…この日というのが少しやっかいです、所有権の移転の原因が相続(遺産分割協議を含む)の場合は、相続開始の日(被巣続人の死亡日)になります、相続に伴う遺産分割協議の場合はその協議の終了日になります。例えば、相続発生から90日以内に遺産分割協議が調わない場合、相続開始の日から90日以内に法定相続人の共有物として一度届出をしなければなりません、その後遺産分割協議で持分に変更があった場合は、遺産分割協議終了後90日以内に再度届出を行う必要があるのです。

森林法 第213条
第二百十三条 第十条の七の二第一項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の過料に処する。

「森林」の届出については、「森林の土地の所有者届出制度市町村事務処理マニュアル」に詳細が記されています、興味がある方は一度ご覧になられてはいかかですか?

本日は以上です、農地・森林の相続についてでした。次回は「婚姻関係終了届出」について見ていきたいと思います、次回も「戸田市の行政書士・まさのブログ」よろしくお願いします(*^▽^*)。

本日ご紹介するパワースポットは、静岡県の御前崎にあります「潮騒の像」です。夕暮れ時がとびきりロマンティックで、潮風に吹かれるシーサイドスポットにあります、「恋人の聖地」と呼ばれているそうです。

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まさのブログをお読みいただきありがとうございます、まさは埼玉県の戸田市で行政書士をさせて頂いています、「相続」については直に皆さんとお話をする機会が多く、とてもやりがいのあるお仕事です、しかし事情によってご対応が多々異なってきます、まさはどんな時でもお客さんの気持ちに共感をすることを第一にお話をさせて頂いています。
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