建設企業のための適正取引ハンドブックをご存知ですか?パート1

国土交通省から『建設企業のための適正取引ハンドブック(第2版)』なるものが出ていることをご存知でしょうか?


建設業者様の適切な取引につていてわかりやすくとは言いませんが、法律・ガイドライン等よりはわかりやすくイラスト付きで説明されています。17ページほどの小冊です、この小冊の「はじめに」で言っていますが、「このハンドブックは、下請負人へのしわ寄せ防止、労働者への適切な賃金水準の確保なども踏まえて適切な取引環境を構築するうえで、守るべき契約上の主なルールを確認するための手引き」になっています。
このハンドブックのようにすべてがいくわけではないのでしょうが、知識として頭の中に入れておくことは大事だと思います。

そこで「建設企業のための適正取引ハンドブック(第2版)」の中身を今回から数回になると思いますがご紹介していきます。

【2章 こんな取引条件に要注意!】

1.不明確な見積条件や見積提出期間が短くありませんか?

・見積条件の提示にあたって、元請負人が下請負人に対して具体的内容を提示しない場合や、工期等に影響を及ぼす地盤沈下などの事象が発生するおそれがあると知りつつ、その情報を提供しないまま契約した場合は建設業法違反になるおそれがあります。
・元請負人が下請負人の見積りを行うために必要な一定の期間を設けなかった場合は建設業法違反になります。

◆チェックポイント=注意すべき点
・工事内容、工事着手及び工事完成の時期、支払い時期及び方法等の具体的内容の見積条件が提示されていますか?
・工事1件の予定価格の金額に応じた見積期間が設けられていますか?

※見積期間は、建設業法(第20条)と建設業法施行規則(第6条)で下記の期間が定められています、ただし、あくまで元請負人から建設工事の具体的な内容が示されてからの期間です。
①500万円未満の工事:1日以上
②500万円以上、5,000万円未満の工事:10日以上(やむを得ない事情がある場合は5日以内短縮可能)
③5,000万円以上の工事:15日以上(やむを得ない事情がある場合は5日以内短縮可能)

◆こんな取引を目指しましょう!
・具体的な施工条件や業務分担を明確にするために、書面による見積条件の提示と見積内容について十分に協議する期間を設けましょう
・適切な水準の賃金を確保できるような労務費や市場価格を参考にした材料費、工事工程ごとの作業及びその準備に必要な日数が明らかになっているかなど、工事内容に応じた適切な見積もりになっていることを確認しましょう

2.口頭契約や契約書交付が工事の着工後になっていませんか?

・工事契約は工事の着工前に書面で行う必要があります、口頭契約などの書面を交わさない契約及び工事着工後に契約書面を交付する行為は、建設業法違反になります。
・契約書面には建設業法で定める一定の事項を記載する必要があります、必要事項を満たさない契約書面を交付した場合は、建設業法違反になります(建設業法第19条に記載する必要事項が列挙されています)。

◆チェックポイント=注意すべき点
・工事着工前に契約を書面で交わしていますか?
・書面で交わされた契約内容は、具体的な内容となっていますか?

◆こんな取引を目指しましょう!
・建設業法で定められた必要事項も含め、元請負人と下請負人の間で合意された事項を記載した契約書面を工事着工前にかわしましょう!
・契約内容を変更する場合、工事内容、工期、請負代金の精算方法などについて協議して、変更内容を記載した書面を改めて交わすことにしましょう!

本日は2つの「こんな取引条件に要注意!」をご紹介しました。

「建設企業のための適正取引ハンドブック」は下記のサイトからダウンロードできます、またYou Yubeで解説を聞くこともできます。ダウンロードしてYou Tubeの解説を聞いてみてください!

[国土交通種のホームページ]⇨[土地・不動産・建設業]⇨[建設業関係・法令遵守]⇨[建設企業のための適正取引ハンドブック](書面をダウンロードできます)又は、みんなで守る!建設業の適正取引~建設企業のための適正取引ハンドブック(第2版)の紹介~(You Tubeで説明動画を見ることができます)。